ときどき、日本型教育システムにおける優秀層の人間ほど、逆に自らの動機が希薄なように思えることがある。「なぜあなたは、いまの仕事をしているのか?」この質問に対し、よどみなく答えられる人間は、エリートと呼ばれる人間ほど少ないのだ。むしろ、彼らは動機を失うことで、その地位を手にしたのかもしれない。以下は、レールに乗ったあとで、自らの動機に気づいた若者のケースだ。一九九七年春。先の見えない不良債権処理の行方に、企業は新規投資をギリギリまで絞ることで対応した。
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株式会社日本創造教育研究所(日創研)
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人材採用も一種の投資だ。新卒求人数は年々滅少し、企業への門は挟まる一方だった。このあたりから数年間が“就職氷河期”と呼ばれる超買い手市場であり、自分の希望する会社に就職できた人間が、終戦後の混乱期を除けば、もっとも少なかったであろう時代だ。そんななか、自分の希望どおりの会社に就職できた少数派のひとりだった。「とにかく、漠然と世の中を動かす仕事をしたいと思っていました。それで、何十億というスケールの大きなビジネスができそうな会社を、という気持ちでしたね」