アーカイブ

インプラントは自分の歯と同じ感触だ

五〇年も前ですが、第1大臼歯をなくし、ブリッジで治療しました。私の場合、ブリッジがうまく機能しており、それに満足していました。ところが私の医院を引き継いだ義理の息子が、インプラント治療を始めたのです。私はインプラント治療というものが行われるようになった最初の頃に勉強したことがあるのですが、その頃のインプラントは、入れてもすぐにダメになってしまうようなものでした。ですから、普及せずにすぐに消えてしまいました。しかし、こんどのインプラントは新しいタイプで、材料に、骨と結合するチタンが使われているといいます。医院として患者さんに勧めるのならば、自分も体験してみなければと考え、ブリッジをやめてインプラントに変えてみました。ブリッジでもさほど問題を感していませんでしたが、インプラントにすることによって、健康な歯の時とほとんど同じ状態を取り戻すことができました。左右の奥歯、どちらで噛んでも同じ感覚で、本来の歯ではないことを忘れてしまうくらいです。私の古い患者さんで、下の歯六本をブリッジにした方がいらっしゃいます。七〜八年前のことで、まだインプラントで治療する例が少なかった頃です。この方が、上の歯も治療しなければならなくなって、その時に「健康な歯を削るなんてもったいない」とインプラントを勧めたら、他の歯科医院でブリッジで治療してしまいました。それが四〜五年前のことでした。しかし時間がたつと、支えている歯が動き始めてしまい、「治したところは全部インプラントにして欲しい」と、一年半くらい前に来院されました。インプラントなら安心して噛めるので、今では満足していらっしゃいます。長くやっている歯科医だと、昔の、まだ問題のあったインプラントしか知らない医師が多いので、どうしても否定的になってしまいます。その後、インプラントがここまで進化していることを知らないままなのです。これからは歯を失った場合の治療はインプラントが主流になっていくと思います。本来の自分の歯とほとんど変わらなく機能するうえ、他の歯に影響を与えず、再治療の繰り返しに陥らないのです。そして入れ歯ではうまく噛めるように設計するのが難しい場合でも、インプラントなら噛める歯にできるということも、大きなメリットです。